Organic Private Spa Merta Sari

こんにちは!東京の江戸川区一之江のオーガニックプライベートサロンMertasari(メルタサリ)です。ご訪問ありがとうございます。 《Natural Beauty & Health & Relaxation 本格アーユルヴェーダ・マッサージセラピーサロン》のプライベートサロンです。

カテゴリ: [読みもの] New moon cafe Merta Sari

New moon Cafe Merta Sari 4月の新月 [ものがたり] 第11話 その1


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新月の日だけに開く現実と架空の狭間のカフェ《New moon cafe Merta Sari》。

毎月の新月の日から、カフェでのストーリーと、体と心を滋養するレシピをお届けいたします。

オーナーエミがモデルになっています。

 


 

《New moon cafe  Merta Sari》

とある街に、新月の日だけに開くカフェがあるとどこかで聞いて

半信半疑でその街を訪ねたことがある。

とはいえ、日中明るい時には新月だろうが満月だろうがわからない。

歩く道が心許ないのは

月の暦だけを頼りに、初めての街に降り立ったせいなのだろうか、

それとも新月そのもののエネルギーのせいなのか、、、。

やっぱり無謀だったかな

頭を切り替えて、帰ろうとしたその時

ふわっと風が吹いて、揺れた木々の間から

「New moon café Merta Sari」と書かれた看板が現れ、目を見張った。

ここだ。

カランコロンと、ガムランのような温かな竹の音のドアベルを鳴らしながら

そっと扉を開く。






***
 


開いた扉の外は、再びの草の海と遠くに見える八ヶ岳だった。

昨秋にエミさんにいざなわれ訪れた、ここ佐久のリトリート。

 

今回春にまたプライベートで開催するとのことを耳にし、

迷わずすぐに一泊二日のエミさんとのリトリートを申し込んだのだった。

 

今回は、仕事に、子育てに、家事に、と毎日休む暇もないお母さんたちへ深い休息を、との意向で地元の森のようちえんちいろばさんと提携して、親子向けの森のリトリートが事前に開催されており、

その後にひっそりと行われた、大人向けのリトリートだった。

私には子どもがいないので、小さな子供を連れているお母さんなどはただただ眩しく、幸せそうにみえるけれど、実際は大変なのだろうと思う。

 

いろいろな状況の中の、いろいろな立場の人、

言い換えるとあらゆる人を対象にした医学が、アーユルヴェーダ

なのだとエミさんは言っていた。

病気の人を癒すことも、そして健康な人をより健康にしていくことも。

また、先月の私のように、決して病気でないのだけれど、バランスを崩してしまってもがいているような、そんな状態のひとも救ってくれるアーユルヴェーダという医療。

ううん、それは単にエミさんの人柄なのかもしれないし、そのどちらもなのかもしれない。

エミさんの中にあるものが、料理やアーユルヴェーダという窓口をとおして引き出され、そして私たちのもとへ、春の光のような明るさで届く。

 

.

 

今回のリトリートの目的は、完全に「避難」だった。

リトリートはまた、キリスト教の伝統においては「静修、黙想」を意味し、

日常生活を離れた静かな場所で、自分は誰か、何をしたいか、を問う精神的な

活動のことを指すという。

前回は、自分自身が疲れていることにも気付かず、

静寂の中に身を置いて、トリートメントを受けて身体を浄化をしてから初めて ああ、自分はこの状態を欲していたのだな、ということに気づいたのだった。

今回は、リトリートを必要としている自分自身の状態への自覚があった。

 

冬に溜まったKapha(カファ)が暖かい陽気で溶け出し、悪化しやすくなる春。

日中の眠気やからだの重さ、足のむくみや鼻づまり、そして鬱々とした気持ちを日常のくらしや食事で整えながら、

やっぱり根本的に今、身体をリフレッシュしないと苦しいな、という気持ちで日常の中にいた。

 

そして、怒涛の年度末をなんとか駆け抜け、春を迎えて、勢いよく刷新されていく周囲の環境の中で、このガヤガヤした中で完全にじぶんがじぶんを見失ってしまっていることを感じていた。

焦っていたし、自分に自信がなくなってしまっていた。

そして、自分の声が聞こえないくらいに、周囲の声の方が自分自身の中で大きくなってしまっており、自分にどう立ち戻っていいのか、今ほんとうにわからなくなってしまっていたのだった。

 

何かに覆われて、曇って目がみえない

ぼんやりとしてきちんと考えられない

忙しい日々が続くあまり、こころもからだも鈍ってしまったようなこの状態を

今回は冷静に自覚して、そしてそんな時に何が必要なのかを

客観的に理解できるようになったのは、この半年での自分の進歩だと思う。

 

 

欲していたのは、自然だった。

つながる為の大きな自然。

そして静寂と、

自分自身の声が聞こえる状態に身体を整えること。

 

前回の新月から一ヶ月、東京の生活の中で自分でできることは頑張ってみたのだけれど、

 

これ以上は無理、というところまできて

やはり専門家の、プロの助けが必要だった。

 

都会の喧騒やスピードから一旦避難して、

瞑想やヨーガで意識を常にクリアにしているセラピストさんに、

自分自身を取り戻す手伝いをして欲しかった。

日常の仕事や付き合いを一旦置いて、

すべてから離れてすごす時間が

必要だった。



written by Saki IKEDA

 

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新月の日だけに開く現実と架空の狭間のカフェ《New moon cafe Merta Sari》。

毎月の新月の日から、カフェでのストーリーと、体と心を滋養するレシピをお届けいたします。

オーナーエミがモデルになっています^^




《New moon cafe  Merta Sari》

とある街に、新月の日だけに開くカフェがあるとどこかで聞いて

半信半疑でその街を訪ねたことがある。

とはいえ、日中明るい時には新月だろうが満月だろうがわからない。

歩く道が心許ないのは

月の暦だけを頼りに、初めての街に降り立ったせいなのだろうか、

それとも新月そのもののエネルギーのせいなのか、、、。

やっぱり無謀だったかな

頭を切り替えて、帰ろうとしたその時

ふわっと風が吹いて、揺れた木々の間から

「New moon café Merta Sari」と書かれた看板が現れ、目を見張った。

ここだ。

カランコロンと、ガムランのような温かな竹の音のドアベルを鳴らしながら

そっと扉を開く。
 





身体が重かった。

 

いや、それ以上に心の方が重たかった。

 

 

 

 

せっかく3月になり、少しずつ春の兆しも感じられたというのに、

どうにも調子が出ない日々が続いていた。

飛ぶように過ぎた2月を終え、

冷たい雨の中迎えた桃の節句。

寒さの中でも一雨ごとに地面が緩み、

 

雨の雨の合間に迎える晴れの日の太陽の日差しの眩しさに、

春が確実に近づいているのを感じる。

本来だったら、重く長かった冬の終わりを感じ

心が浮き足立つはずなのに、

どうしてだろう。


心が軽くなるどころか

毎日どんどんわけもなく落ち込み、

3月に入ってからは、外に出て人に会うのも億劫だった。

せっかくのお休みだった今日。

 

New Moon Caféに出会ってからはいつも新月の日は休みを取ることにしているのだけれど、

 

今日はどうしても、行けそうになかった。

 

いや、行きたいのだけれど、どうしても身体が動きそうになかった。


ちょっと2月に頑張りすぎてしまったのかな?

私もしかして、うつっぽいのかな、、、。

 

 

いつもだったら朝起きて、窓を開けて新鮮な空気を入れてから

ヨーガをして、お白湯を沸かして飲んで、

 

身体を整えてから気持ちよく仕事に行っているのに

最近はそれすらも億劫で、いつの間にかやらなくなっていた。

 

 

今日は朝からパジャマのままで

 

布団の中で目を閉じている。

 

最近、仕事でしてしまった失敗をきっかけに、自分の欠点を反省していたら、自分のできないところばかりを思い出し、だんだんと自信を失ってきてしまっていた。

 

結局私って、何もできないんだなあ、、、。

みんな昇進したり、結婚したり、子どもが生まれたりして、それぞれの居場所で輝いているように見える。 それなのに私はといえば、大きなモチベーションもないままにずっと仕事をしていて、そしてそこでうまくやれているわけでもなくて、、、この間みたいに大きなミスをしてみんなに迷惑をかけている、、、。

 

そんな自分のことを改めて考えていると、本当に自分なんて価値のない人間のように思えてきてしまうのだった。


布団の中でもう一度寝返りを打つ。

 

時計の針はもう昼すぎを指していた。

今日は雨で、朝からずっと薄暗いので

なんとなく昼を過ぎても気持ちも晴れない。


起きなくては、と思いながらこのまま今日はズルズルと夜まで

こうしてしまうのかもしれない。

 

「今日ぐらい、のんびりしてもいいや!」

 

と思えたらいいのだけれど、

今の自分をそんな風に肯定的に捉えることも到底できず、

 

またそんな自分に嫌気がさしながら、重たい気持ちで布団の縁を眺める。

 

今頃、New Moon Caféは賑わっているんだろうか。

エミさんの華やかでパッとその場が明るくなる、あの優しいひまわりのような笑顔を思い出しながら、今日の自分はどうしてもその場に相応しくないような気がしてきて、またぎゅっと目を閉じる。

 

自分はこんなにも弱い人間だったのだろうか。

突然やってきたこの落ち込みに、自分自身でも対応しきれず

 

どうしていいのか困惑もしていた。

 

 

***

そんな時、突然携帯電話の呼び出し音がなった。

 

 

 

Written by Saki Ikeda

New moon Cafe Merta Sari もくじ

New!月の新月

 

◯Story-ものがたり

《ものがたり》第10話 3月の新月 その1

《ものがたり》第10話 3月の新月 その2

《ものがたり》第10話 3月の新月 その3

《ものがたり》第10話 3月の新月 その4

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◯Recipe-レシピ

<3月のnew moonレシピ>よもぎのガレット

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<3⽉の ハーブティー>
Detox Flow ー巡って流れるお茶ーbyことり薬草


 

 

 

 

 

 

<3月のNew moonコーディアル>

月とカモミールのコーディアルby マヒナファーマシー


 

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